欧州ケーブルを日本で使う前に ― 公称断面積(スケア)の落とし穴

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機械・制御配線のグローバル化が進むいま、**欧州規格のフレキシブル制御ケーブル「JZ 500」**を日本の設備に導入したいというご相談が増えています。しかし、JIS 規格(JIS C 3605)で定められた 600 V CV ケーブルと欧州ケーブルでは、公称断面積(スケア)スケールそのものが異なることをご存じでしょうか。サイズの読み違いは電流容量計算や端子台選定を誤らせ、過熱・絶縁劣化・施工遅延など思わぬリスクを招きます。この記事では「サイズが合わない理由」と「使用前チェックリスト」を詳しく解説します。

JIS 規格と欧州規格 ― スケアの刻み幅が違う

  • 欧州制御ケーブル JZ 500
    0.5 / 0.75 / 1.0 / 1.5 / 2.5 / 4.0 mm² …と倍数系で細かくステップアップします。
  • 日本規格 600 V CV(JIS C 3605
    2 / 3.5 / 5.5 / 8 / 14 mm² …と**√3 系の刻み**でステップが大きいのが特徴です。

このため、たとえば「3.5 mm² が欲しいから JZ 500 の 4 mm² で代用」という安易な置き換えは、許容電流・外径・端子圧着範囲がずれてしまい危険です。

公称断面積の違いが引き起こす 3 つのリスク

  • 許容電流の過小評価 — JZ 500 2.5 mm² は JIS 600 V CV 3.5 mm² より芯線本数が多く散熱性能が異なります。
  • ストリップ長・圧着端子の不一致 — 被覆厚が異なり、標準ストリップ長が合わないため作業時間が増大。
  • 盤内スペース計算の誤差 — 外径差によりダクト占有率が変わり、盤設計をやり直す場合も。

使用前チェックリスト

  • 回路電流と温度上昇を IEC60287/JCSなどで再計算
  • 端子台・フェルールサイズを再確認
  • JIS 準拠が必須の部分(法規・消防)と、欧州ケーブル併用が可能な部分を分けて検討
  • 必要に応じ HELUKABEL テクニカルセンターへ図面・仕様書を送付し適合判定

欧州ケーブルを日本仕様へ流用する最大の鍵は「公称断面積の正しいマッピング」。HELUKABEL は豊富な在庫と技術サポートで、グローバル調達と国内法規を両立させます。導入ご検討の際はぜひお気軽に お問い合わせ ください。

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