電線・ケーブルの引張強度の計算方法

固定設置/動きを伴う用途での電線・ケーブルの最大許容引張荷重を算出する公式をご説明します。

Tension

産業用ケーブルは、日々引張荷重にさらされています。この記事では、適切な計算式と許容限界値をご紹介します。

ケーブルをダクトに通す場合や、ドラッグチェーンなど移動式アプリケーションに設置する場合など、産業環境においてケーブル・電線は引張荷重にさらされます。最大許容引張荷重を一度でも超過すると、コアや絶縁層、またはケーブル全体の構造に修復不可能な損傷を引き起こす可能性があります。これにより、高額なダウンタイムや安全上のリスクが生じる可能性があります。これを回避するためには、最大許容引張荷重を正しく計算することが重要です。

引張強度の計算の基本

ケーブルの最大許容引張荷重は、主に 3 つの要因に依存します :

- ケーブルの構造と素材
- 銅導体の直径
- 運転条件

引張強度の計算方法

同心または撚り構造の固定設置用ケーブルの引張強度を計算する際は、以下の式を使用する必要があります :

最大引張強度 (Ftu) = 50 N x 芯数 x 断面積

例 A: 4 芯で断面積が 2.5mm² のケーブルの最大引張強度は、 Ftu = 50 N x 4 x 2.5 = 500N

ケーブルの取り付け方法に応じて、以下の引張荷重の制限値が適用されます :

- 固定設置ケーブル: 50 N/mm² まで
- 移動用途 (例 : ドラッグチェーン): 引張強度は著しく低下

(データは VDE 0298-3 に準拠)

事前に組み立てられたケーブルでも、プラス端子付きのものは接着部の機械的強度とプラグを考慮する必要があるため、引張強度が大幅に低下している場合があります。

HELUKABEL からのアドバイス : 設置時は、急な曲げ半径や高い 引張速度を避けてください。引張作業を支援するための専用ツールを使用し、最大引張荷重に関する製造元の推奨事項を遵守してください。ご不明な点がある場合は、用途別の計算方法やアドバイスをご提供しますので、お気軽にご相談ください。

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当社の専門家が、ご要望に応じたケーブル・電線の選定と設計を支援いたします。さらに、お客様の個別の用途に適合するよう、ドラッグチェーン、ケーブル、アセンブリを組み合わせた完全なソリューションの設計も行っています。静的であっても動的であっても、最適な接続ソリューションを見つけるお手伝いをいたします。

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