電気配線は「自力」でできる?

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本記事では、日本の法令に基づき「自分でできる範囲」と「資格が必要な範囲」をわかりやすく整理し、家庭・小規模オフィス・工場の担当者が誤解なく判断できる実務ポイントをまとめます。

日本で資格不要とされる「軽微な工事」とは

経済産業省の公式資料によると、以下は電気工事士の資格が不要な“軽微な工事”として明確に列挙されています(要旨)。

  • 差込プラグやソケット、ローゼットの“キャップ側”にコードを接続する作業(※天井側ボディの取り付けは含まれません)
  • 電気機器(配線器具を除く)の端子に、コード/キャブタイヤケーブル等をねじ止めする作業(例:汎用モーター端子箱のネジ止め)
  • 電力量計やアンペアブレーカー(電流制限器)の取り付け・取り外し(電力会社機器のため、電気工事士法の対象外)
  • 小型変圧器の二次側(36V以下)配線—インターホン・火災感知器などの低電圧配線
  • 電線支持用の柱や地中管(暗渠)の設置・変更

※上記はあくまで限定列挙です。列挙にない作業や、屋内配線そのものに手を加える作業は資格が必要になるのが原則です(後述)。

資格が必要になる代表的な工事

次のような作業は電気工事士等でなければ従事できない領域です。誤って DIY で行うと、重大事故や法令違反につながるおそれがあります。

  • 電線相互の接続、がいしへの取り付け/取り外し、電線を造営材に直接取り付ける作業
  • 電線管・ダクト等に電線を収める、金属製ボックスの取り付け・取り外し
  • 配線器具(壁内のスイッチや埋込コンセント等)を造営材に取り付け/取り外し、そこへ電線を接続する作業
    • (注)「露出型スイッチ・露出型コンセントの取り換え」には一部特例の記載がありますが、型式・配線状況によって資格要否が分かれうるため、実務上は有資格者へ依頼するのが安全確実です。

超入門 : 電気工事の資格体系と“できる範囲”

日本の電気工事に関わる代表的な資格とその従事範囲は次のとおり(要旨)。一次情報の要点を簡潔に整理しています。

  • 第二種電気工事士 : 一般用電気工作物(600V 以下)の電気工事に従事可能(例 : 一般住宅、小規模店舗・オフィス等)。
  • 第一種電気工事士 : 上記に加え、自家用電気工作物(最大電力 500kW 未満)の電気工事に従事可能(大規模ビル・工場等の多くを含む)。
  • 認定電気工事従事者 : 簡易電気工事に限り、自家用電気工作物のうち 600V 以下部分で作業可(要認定)。
  • 特殊電気工事資格者 : ネオン工事/非常用予備発電装置工事に従事。

まとめると、家庭・小規模施設の屋内配線=第二種以上工場・大型施設を含む自家用設備(〜500kW 未満)=第一種が基本線です。

事業所側の必須知識 : 電気主任技術者(選任義務)

事業所など自家用電気工作物を設置する場合、工事・維持・運用の保安監督として電気主任技術者の選任が必要です(小規模事業用電気工作物を除く)。工事着手時からの選任が求められるため、設備計画段階から体制を整えましょう。

判断に迷ったら : 安全・法令のクイックチェックリスト

  • 天井・壁内の既設配線や配線器具に手を入れる作業ですか? → 有資格者に依頼(第二種以上が目安)。
  • 差込プラグ/ソケット/ローゼット“キャップ”側へのコード接続など、限定的な軽微工事ですか? → 条件を満たせば資格不要。ただし不明点は相談を。
  • 事業所の自家用電気工作物(〜500kW)ですか? → 第一種または認定電気工事従事者(簡易範囲)。さらに電気主任技術者の選任も検討。
  • 36V 以下のインターホン・火災感知器など二次側だけ? → 資格不要の軽微工事に該当(条件あり)。

配線・ケーブル選定の基礎リソース(HELUKABEL)

よくある誤解(家庭編)

  • 壁の埋込コンセントやスイッチの交換は? → 基本は“資格が必要”。DIY 記事の記述がまちまちでも、法令上は配線器具の取り付け・電線接続は有資格領域です。
  • ローゼットの“キャップ側”交換は? → 条件付きで資格不要ですが、天井側ボディの取り外し・取り付けは有資格作業です。
  • 日本では、特定の軽微な工事”だけが DIY で、屋内配線・埋込配線器具は有資格が原則。
  • 第二種/第一種電気工事士認定電気工事従事者のできる範囲を理解し、安全と法令順守を徹底しましょう。
  • 事業所の設備では電気主任技術者の選任も忘れずに。

安全第一。迷ったら必ず有資格者に相談してください。HELUKABEL は、用途別ケーブル選定や規格面のご相談にも日本語で対応します。

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