ドイツで広がる「モチ」人気

HELUKABEL(ヘルカベル)はドイツ本社の産業用ケーブルメーカーとして、日本と欧州の橋渡しを続けています。本稿では“日本文化が欧州へ浸透する好例”として、近年ドイツで人気が高まる「モチ(餅)」、特に“モチアイス”の広がりを、流通動向と公開データから読み解きます。
モチは「ニッチ」から「定番」へ — 流通が示す普及度
2022 年以降、EDEKA や REWE といった大手小売が冷凍棚・寿司カウンターでモチ(モチアイス含む)の常設取扱いを拡大。EDEKA は 2022 年 11 月に“モチアイス”の導入を正式発表し、REWE では「O-MOCHI」「Little Moons」など複数ブランドがオンライン/店舗で購入可能です。取扱いが全国チェーンに広がったことは、嗜好品から“日常買い”への定着を示す重要なシグナルです。
売上・消費の「ベース」は拡大余地 — カテゴリーの現在地
ドイツのアイス市場は 2023 年に約 59.2 億ドル規模(見通し : 2030 年に約 70.7 億ドル)という巨大な母集団。2024 年の国内消費は約 5.41 億リットル、1 人あたり年間約 8 リットルで横ばいでした。モチ(特にモチアイス)は、この巨大市場内の“伸び率の高い新興セグメント”として存在感を増しています。
欧州全体でも追い風 — “モチ”の成長率
グローバル/欧州の調査でも、和菓子モチやモチアイスは中長期で 2 桁成長が見込まれる“エスニック×スイーツ”の注目領域。複数の市場調査は、2020 年代後半にかけて年率約 9 〜 12% 超の拡大を予測しており、欧州における浸透も進行中です。
小売現場の“確かな手応え” — 導入・新商品ニュース
英発の人気ブランド「Little Moons」は欧州での需要拡大に合わせ生産拡張を進め、ドイツでも新フレーバーのローンチを実施。小売大手(例:Lidl、REWE、EDEKA)の強固な販路により、来店頻度の高い冷凍棚で接点が生まれ、認知→試食→リピートの流れが定着しやすくなっています。
「なぜ売れる?」— 購買ドライバー
- “ひと口×多フレーバー”の体験価値 : 小分け・多彩な味で“試し買い”がしやすく、若年層の SNS 拡散とも親和性が高い(TikTok 発の拡散事例多数)。
- 既存インフラの活用 : 既存の冷凍スイーツ棚に入るため、導入コストが比較的低い。REWE/EDEKA などの全国網で“面”を取りやすい。
- プレミアム化の余地 : 欧州の高付加価値アイス市場は継続拡大基調。モチは“食感×見た目×ストーリー”で差別化しやすい。
まとめ : 日本文化の“おいしい”浸透
ドイツでは、モチはアジア食材店の“限定品”から全国チェーンの“日常スイーツ”へ移行しつつあります。個別ブランドの売上実績(O.Mochi の 1,360 万€ /2021 年)や、小売各社の継続導入、欧州全体の伸び率見通しが、今後の拡大余地を示しています。HELUKABEL は産業分野の企業ですが、日本とドイツの価値ある交流を応援する立場から、こうした“文化×市場”の動きを今後も発信していきます。
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