Qi(チー)規格とは?— ワイヤレス給電の基礎と Qi2 の最新動向
なぜ「Qi」は世界中で使われているの?
- 共通規格だから : 端末メーカーやアクセサリーメーカーが同じルールで開発・認証でき、ユーザーはロゴを目印に安全・確実な充電環境を選べます。
- 置くだけの手軽さ : ケーブルを抜き差しする摩耗や断線のリスクを低減。ベッドサイドやデスク周りがすっきりします。
- 安全機能 : 異物検知(FOD)や過熱保護などの要件を含む認証制度で、安心して使えることが普及の鍵になりました。
仕組みをやさしく : 電磁誘導と「位置合わせ」
ワイヤレス給電は、送電側コイルと受電側コイルが近接し、電磁誘導で電力を伝える仕組み。チャージングパッド上の正確な位置合わせが肝心で、ズレると効率が落ち、発熱の原因にもなります。Qi2 では磁気アタッチメント(Magnetic Power Profile)により、ピタッと吸着→最適位置で高効率を実現します。
「Qi2」で何が変わる?(Qi → Qi2 の進化点)
- 位置ズレを解消 : 磁気アライメントで、毎回ベストポジション。
- 効率とスピード : 従来の 15W 級に加え、上位実装では 25W 級のワイヤレス充電が登場。短時間で 50% まで到達できるケースも。
- 使いやすさ : 吸着でズレにくいので、ベッドサイドでも“置くだけ”が安定。
- 広がる互換 : 対応端末/アクセサリーが増加中(iPhone などの主要端末や一部 Android 端末)。
メモ : Qi2 = 規格名、MagSafe = Apple の磁気アタッチ機構。Qi2 は MagSafe の考え方を取り込み標準化したため、より幅広い端末で“磁気でピタッ”が可能になります。
はじめての Qi/Qi2 対応製品選び : 5 つのチェックポイント
- Qi / Qi2 ロゴと認証表記 : WPC 認証の有無が品質・安全の目安。
- 出力表記 :「最大 15W」「25W 対応」など。端末側の上限と一致しているか確認。
- ケース適合 : 厚手ケースや金属プレートは効率低下の原因。磁気対応ケースなら位置ズレを軽減。
- 発熱・安全機能 : FOD、過熱/過電流保護、温度管理の記載を確認。
- 電源アダプタ(有線側): PD(USB-C)などの十分な W 数を用意。土台の電源が非力だと公称ワット数が出ません。(一般論)
生活シーン別・ワイヤレス充電のコツ
- 寝室 : ナイトランプ一体型や静音モデルで“置いてそのまま”。
- 仕事机 : マグネット式スタンドでビデオ会議中も角度固定&充電。
- 外出 : Qi2 対応モバイルバッテリー(25W 級)ならケーブルレスでも心強い。
HELUKABEL が支える“見えないところ”——安定給電のインフラ
HELUKABEL(ヘルカーベル)はドイツ本社を持つ国際的ケーブルメーカー。世界 43 カ国・ 76 拠点、在庫 33,000 点の供給力で、充電器の電源ラインや試験設備の配線、工場の電源・通信インフラなど、ワイヤレス給電を支える基盤づくりを提供しています。
日本語 Product Finder (製品検索): 用途・規格から素早く絞り込み可能。データシートも日本語で入手できます。
まとめ : 今から Qi2 対応を選ぶ “3 つの理由”
- ズレない→効率的 : 磁気アライメントで毎回ベスト位置。
- 速い : 25W 級の拡がりで“置くだけでも時短充電”。
- これからも安心 : 標準化&認証で、端末を買い替えても互換性が見込みやすい。