舞台照明を支える 3 大ケーブル : 電源ケーブル・DMXケーブル・ネットワークケーブルの役割と選び方
舞台照明を支える 3 大ケーブル : 電源・DMX・ネットワークの基本
ライブ、演劇、展示会、屋外フェス——舞台照明は“光”だけでなく、“配線品質”で仕上がりが決まります。
ちらつき・誤作動・通信断・復旧に時間がかかる…といったトラブルの多くは、ケーブルの種類選びと敷設方法で予防できます。
HELUKABEL は、イベント・メディア技術向けに、屋内/屋外、固定設備/移動用途まで想定したケーブルを展開し、 照明・音響・映像・電源用途 を幅広くカバーしています。
まず押さえる : 舞台照明に必要なケーブルは「3 系統」
舞台照明の配線は、ざっくり言うと次の 3 系統です。
- 電源(Power): 照明機器へ電力を届ける
- 制御(DMX): 調光や色・パン/チルト等の制御信号を送る
- 通信(Network): Art-Net / sACN など、ネットワークで制御・監視・統合する
ここから先は、それぞれの役割と“失敗しない選び方”を整理します。
電源ケーブル : 照明の「安定」と「安全」を決める
役割
ムービングライト、LED バー、調光卓周辺、分電盤、電源分配…照明現場では電力系統が最優先です。電源側が不安定だと、フリッカー(ちらつき)や機器リセット、最悪の場合は停止につながります。
選定のポイント(チェックリスト)
- 許容電流(容量): 機器の合計消費電力+余裕(突入電流も考慮)
- 電圧降下 : 長尺や分岐が多い現場ほど重要
- 可動・巻取りへの強さ : 踏まれる/引っ張られる/巻き取り(ドラム)
- 防災要求 : 人が集まる空間では、低発煙・無ハロゲン(LSZH/LS0H)などの要件が出ることも
- 環境耐性 : 屋外なら耐候・耐 UV・耐摩耗
屋外や可動の厳しい条件では、耐摩耗性・耐候性など材料設計が効きます(例 : UV・耐候性試験に基づく設計思想の紹介)。
DMX ケーブル : 照明制御の「誤動作」を防ぐ“専用品”
役割
DMX は照明制御の王道。調光、カラー、ゴボ、ムービングの位置制御など、演出の中枢です。ここで重要なのは、「DMX は信号伝送」= 適当な線で代用すると不安定になりやすいという点。
なぜ “DMX用”が必要?
- 特性インピーダンス(一般に 120Ω)が設計されている
- シールドで外来ノイズを抑える
- コネクタ・取り回しが現場運用に合う(3pin/5pin など)
HELUKABEL はイベント・メディア用途で、HELULIGHT(DMXケーブル)を含むラインアップを紹介しています。
DMX 現場トラブルを減らすコツ
- 終端抵抗(ターミネータ)を使う(特に長距離・分岐・混在時)
- 電源系と並走するなら、距離を取る/交差は直角を意識
ケーブルは「束ねすぎない」「急角度で曲げない」(断線・特性変化の原因)
ネットワークケーブル : Art-Net / sACN 時代の“第 2 の生命線”
役割
照明制御はネットワーク化が進み、Art-Net / sACN で複数ユニバースを統合したり、照明・映像・音響を同期したりします。ネットワーク配線の品質=現場の復旧速度と言っても過言ではありません。
Cat(カテゴリ)の選び方の目安
一般の LAN では Cat5e ~ Cat6A、特殊用途では Cat7/7A/8 も選択されます。 舞台照明では、ノイズ環境や将来拡張(機器増設)を見越して、Cat6/Cat6A を軸に検討するのが現実的です。
シールドの考え方(舞台は“ノイズ環境”になりやすい)
インバータ電源、電源ケーブル束、可動機器…ノイズ要素が多い現場では、シールド付き(例 : S/FTP 等)が有利という整理もあります。
運用のコツ
- 重要系統は冗長(予備線/リング/予備スイッチ)
- コネクタは抜けにくい構造や保護(現場ルール化)
PoE 機器を使うなら、発熱・距離・ケーブル品質もセットで設計
失敗しない配線設計 : 現場で効く「5 つのルール」
- 電源・信号・通信は“分離”(同じ束にしない、距離を取る)
- 可動部は可動用(耐屈曲・耐摩耗)を前提に
- ラベリングと色分け(撤収・再設営の時間を短縮)
- 予備線を用意(トラブル時の“差し替え”が最強)
- ケーブル管理(巻き方・保管・踏まれ対策)をルール化