燃焼ガス毒性試験 - NF X 70-100 の概要

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なぜ「燃焼ガスの毒性」が重要か

電線・ケーブルの「難燃性」だけでなく、火災時に発生する煙・ガスの毒性は、人命や避難、復旧に直接影響します。フランス規格 NF X 70-100 は、材料を燃焼・熱分解させて発生ガスの毒性を評価する国際的に参照される試験で、鉄道分野(EN 45545-2)などでも関連づけて活用されています。

NF X 70-100 の試験概要

  • 試験方法 : 少量試料(約 1g)を管状炉(チューブファーネス)に挿入し、400°C/600°C/800°C などの条件で熱分解・燃焼。発生ガスを吸収液やサンプリングバッグで捕集し、濃度を分析します。
  • 測定対象の一例 : CO、CO₂、HCN、HCl、HBr、HF、SO₂、NOx などの有害成分。これらの定量結果から、CIT(Conventional Index of Toxicity : 毒性指数) が算出され、用途に応じたしきい値と比較します。
  • 適用分野との関係 : 鉄道車両材料の火災安全規格 EN 45545-2(R22/R23 等)では、非リスト製品の評価に NF X 70-100-1/-2 が参照され、EN 17084 Method 2 と整合します。

HELUKABEL で NF X 70-100 に対応するケーブル

HELUKABEL では、NF X 70-100 に適合するハロゲンフリー・低発煙の制御/接続ケーブルを各種お取り扱いしています。代表例 :

  • MEGAFLEX® 500 : データシートに「燃焼ガスの毒性 : NF X 70-100」と明記。加えて IEC 60332-1-2(難燃性)/IEC 61034-1+2(煙濃度)/IEC 60754-1(ハロゲンフリー) 等にも対応。屋内外・機械/プラント、物流設備、船舶、再エネ分野などでの使用に適します。
  • MEGAFLEX® 500-C(シールド付): 同様に NF X 70-100 への適合が記載。EMC 対策が必要な環境にも有効です。

※型番・仕様は電圧、芯数、外径、可とう性などで豊富に展開しています。詳細は各データシートをご確認ください。

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NF X 70-100 と関連規格のセットで安全性を高める

実際の設計・調達では、毒性評価(NF X 70-100)に加えて、

  • 難燃性(IEC 60332-1-2、IEC 60332-3-24 等)
  • 煙濃度(IEC 61034-1+2
  • ハロゲンフリー(IEC 60754-1
    といった複数規格の組み合わせ要件が一般的です。MEGAFLEX® 500 シリーズは、これら主要規格の要件に幅広く対応しており、公共施設、インフラ、FA、搬送設備、船舶、再エネなど、多様な用途で総合的な火災安全に貢献します。

選定時のポイント(チェックリスト)

  • 用途と規制 : 鉄道・トンネル・公共空間など、所管規格(EN 45545-2 等)の要求レベルを確認。
  • 安全性能のバランス : 毒性(NF X 70-100)だけでなく、難燃・発煙・ハロゲンの総合要件を見る。
  • EMCや油・耐候性 : 周囲環境(油、オゾン、屋外、UV)やノイズ対策の必要性を反映。
  • 在庫・納期 : 必要断面・芯数・色・シールド有無など、標準在庫の可用性を確認。

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導入・選定のご相談

NF X 70-100 適合(CIT 評価含む)の要求に対応するケーブル選定、技術資料やデータシートの手配、試験成績・証明書の確認など、日本国内のお客様向けに HELUKABEL がサポートします。
お問い合わせは メールまたは コンタクトフォーム からお気軽にご連絡ください。

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