ドイツ・日本の異文化紹介:配線作業で活躍する軍手

日本の軍手 : 低コストだが“性能は自己責任”
- 綿 / ポリエステル混紡を 7–13 ゲージで編んだ汎用手袋
- 法的な性能表示義務がなく、熱変形温度はおよそ 120 ℃前後
- 切創・突刺し耐性は製品によって大きなばらつき
- 「滑り止め付き」で作業性を補うが、溶接スパッタ・収縮チューブの熱には無防備
これらは“消耗品”としてコストを抑えるメリットはありますが、災害発生時には医療費やライン停止コストが跳ね返ります。
ドイツ / EU の保護手袋規格
EN 388:2016 (機械的リスク)
試験項目 | 表示記号 | レベル範囲 |
摩耗 | 1-4 | サンドペーパーで穴あきまでの回転数 |
切創 (TDM法) | A-F | 2-30 N 以上 |
引裂き | 1-4 | 必要エネルギー (N) |
穿刺 | 1-4 | 必要エネルギー (N) |
EN 407:2020 (熱リスク)
レベル | 接触熱温度 (℃) | 15 秒以上耐える時間 |
1 | 100 | ≥15 s |
2 | 250 | ≥15 s |
3 | 350 | ≥15 s |
4 | 500 | ≥15 s |
EN 511:2006 (低温)
伝導冷熱、対流冷熱、浸水の 3 項目を 0-4 レベルで評価。氷点下の屋外ケーブル敷設で威力を発揮。ポイント : 各規格はピクトグラム+性能値が必ず背面印刷され、手袋選定を“数値化”できます。
素材の進化 : 高機能繊維とコーティング
素材 | 特徴 | 推奨シーン |
Kevlar®/Para-Aramid | 耐切創・耐熱 (400 ℃) | ワイヤーブレード切断、溶断 |
HPPE/ ガラス繊維混紡 | 高い切創+軽量 | ラッピング、結束作業 |
スプリットレザー+内側綿 | 500 ℃クラスの接触熱 | 溶接、収縮チューブ加熱 |
ニトリル / PU コート | 耐油・耐薬品、グリップ力 | 潤滑剤使用のケーブル敷設 |
実務ベネフィット : 電線作業での 5 つの成功例
- 収縮チューブ作業時間 -25 %
EN 407-3 手袋導入で、やけどリスクが消え作業スピードが向上(ドイツ自動車工場事例)。 - 切創災害ゼロ記録を 12 か月更新
EN 388-F 品採用で、アルミシース切断時の負傷が激減(日本国内設備業)。 - 冬期屋外配線の工数 1/2
EN 511-121 手袋で指先感覚を保持し、結線ミス再作業を削減。 - 油分による滑落事故 40 % 減
ニトリルコートモデルに切替え、ケーブル引き込み作業中の落下を防止。 - ISO 45001 認証監査がスムーズに
規格値が明示されるため、PPE 管理台帳への記載が簡便に。
日本の軍手文化はコスト最優先で進化してきましたが、熱・切創リスクが増大する現代の電線現場では限界があります。
ドイツ / EU で義務化された EN 規格手袋は、性能を数値で管理できるため、安全性・作業効率・監査対応を同時に底上げします。HELUKABEL は高性能で信頼できる電線・ケーブルを通じて、作業環境全体の最適化と日本のお客様の“止まらない生産ライン”の実現をお手伝いします。
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