VFD(インバータ)とは?VFD 配線に最適なケーブルの選び方ガイド
VFD(Variable Frequency Drive : 可変周波数ドライブ/インバータ)は、交流モータの回転数やトルクを周波数と電圧の制御で最適化する装置です。省エネ、騒音低減、設備寿命の延伸など大きなメリットがある一方、スイッチングに伴う高周波ノイズや dV/dt ストレスが発生しやすく、「VFD に適したケーブル選定」が装置の安定稼働と EMC 対策の要になります。
VFD 配線でケーブルが重要な理由
- 高周波ノイズ / 共通モード電流 : インバータの高速スイッチングは、モータ側や周辺回路に高周波成分を回り込ませます。シールド構造や対称接地導体(シンメトリカル GND)を備える VFD ケーブルで抑制します。
- dV/dt ストレスと低静電容量 : XLPE 等の絶縁と構造最適化により、線間容量を抑え、ベアリング電食や誤動作リスクを低減します。
- 360° 接地と二重シールド : 編組+アルミフォイルなどの二重シールドと 360° クランプ接地で、実装時の EMC 性能を安定化。 HELUKABEL Japan の技術記事 でも VFD・サーボ用途は「二重シールドを第一候補」にすることを推奨しています。
VFD 用ケーブルに求められる主な仕様チェックリスト
- 絶縁体 : XLPE(架橋ポリエチレン)… 低容量&耐 dV/dt。
- シールド : 箔+編組の二重、高カバレッジ… 伝導・放射ノイズを強力に抑制。
- シンメトリカル GND(対称 3 接地など)… 共通モード電流の経路を最適化。
- 耐油・耐 UV・耐機械特性 … 設置環境(屋外・トレイ・ドラッグチェーン等)に適合。
- 規格適合 : UL/CSA、NFPA 79、TC-ER/PLTC-ER/ITC-ER 等 … 北米規格機器や露出配線要件に対応。
HELUKABEL の「VFD」シリーズ
HELUKABEL は用途別に VFD 銘柄のラインアップを展開しています。代表シリーズを以下にご紹介します(型式・仕様はページ内データシート参照)。
TOPFLEX®(モータ電源系)
- TOPFLEX® 600 VFD : 柔軟・耐油・EMC 重視のモータ電源用 VFD ケーブル。
- TOPFLEX® 650 VFD : XLPE 絶縁、制御芯付きの EMC 推奨タイプ(フォイル+編組などの二重シールド構造)。
- TOPFLEX® 1000 VFD : 対称 3 接地(3GND)構造を採用した高 EMC タイプ。長距離配線や厳しいノイズ環境に有効。
TOPSERV®(サーボ・モータ系)
- TOPSERV® 600 VFD : サーボモータ向けモータ供給ケーブル。TPE 外被・耐油・トレイ適合(TC-ER等)。
- TOPSERV® 650 VFD : 油耐性 I/II、露出配線(TC-ER/PLTC-ER/ITC-ER)対応の EMC 推奨タイプ。シース色は黒 / オレンジ。
各シリーズの UL/CSA/NFPA 79 対応や詳細仕様は、商品ページの「ダウンロードセンター」内 Data Sheet をご確認ください。
現場で効く配線・実装のコツ
- 電源線と信号線は物理的に離す / 交差は直角
- 360° クランプでシールドを確実に大地へ(ピッグテールは避ける)
- 長距離・高出力・高周波ノイズが強い環境では、対称 GND や二重シールドを優先
- ドラッグチェーンや屋外・直埋設など、使用環境の要件に合致する外被材・規格を選定
HELUKABEL はドイツ本社を中心に世界 76 拠点で製造・物流・技術支援を展開し、 33,000 超えの在庫で日本のお客様にも迅速に供給します。用途・規格・寿命・コストのトータル最適化をご提案します。